Cohenの効果量 d

平均の差がどれくらい大きいかを表す指標

効果量とは何か

統計的検定では, p値を用いて 「差があるかどうか」 を判断します.

しかし, p値だけでは その差がどれくらい大きいのか は分かりません.

効果量は, 差の大きさそのものを表すための指標です.

Cohenのdとは

Cohenの効果量 d は, 2つの平均の差を 標準偏差で標準化した値 です.

単位に依存しないため, 異なる研究間でも比較しやすい という利点があります.

具体例(対応のないt検定の例)

対応のないt検定のページで用いた, 次のデータを再び考えます.

実験群 統制群
7265
7560
7862
7058
7463

平均は,

$ \bar{x}_1 = 73.8 \quad,\quad \bar{x}_2 = 61.6 $

Cohenのdの計算式

対応のない2群比較における Cohenのdは, 次の式で定義されます.

$ d = \frac{\bar{x}_1 - \bar{x}_2}{s_p} $

ここで, $s_p$ は プールされた標準偏差 です.

$ s_p = \sqrt{ \frac{(n_1 - 1)s_1^2 + (n_2 - 1)s_2^2} {n_1 + n_2 - 2} } $

数値を代入して計算する

前の例では,

これらを用いると,

$ s_p \approx 2.85 $

したがって,

$ d = \frac{73.8 - 61.6}{2.85} \approx 4.28 $

dの大きさの目安

Cohenは, dの大きさについて 次のような目安を示しています.

dの値 解釈の目安
0.2小さい効果
0.5中程度の効果
0.8大きい効果

今回の例では, 非常に大きな効果があった と解釈されます.

p値との違い

p値は, 「差があるかどうか」 を判断する指標です.

一方, Cohenのdは, 「差がどれくらい大きいか」 を表します.

研究では, p値と効果量の両方を報告する ことが重要です.

論文での書き方(例)

対応のないt検定の結果, 実験群と統制群の得点に有意な差が認められた (t(8) = 6.8, p < .01, d = 4.28).

まとめ