具体例(実際の数値)
5名の被験者に対して, 実験前と実験後で同じテストを行ったとします.
| 被験者 | 実験前 | 実験後 | 差(後 − 前) |
|---|---|---|---|
| 1 | 60 | 68 | 8 |
| 2 | 55 | 60 | 5 |
| 3 | 70 | 75 | 5 |
| 4 | 65 | 72 | 7 |
| 5 | 58 | 63 | 5 |
対応のあるt検定では, この差の列だけを使って検定を行います.
同じ対象を2回測定したときの平均の差を調べる検定
対応のあるt検定は, 同じ人や同じ対象を2回測定したとき, その平均に差があるかどうか を調べるための検定です.
5名の被験者に対して, 実験前と実験後で同じテストを行ったとします.
| 被験者 | 実験前 | 実験後 | 差(後 − 前) |
|---|---|---|---|
| 1 | 60 | 68 | 8 |
| 2 | 55 | 60 | 5 |
| 3 | 70 | 75 | 5 |
| 4 | 65 | 72 | 7 |
| 5 | 58 | 63 | 5 |
対応のあるt検定では, この差の列だけを使って検定を行います.
差の平均は,
$ \bar{d} = \frac{8 + 5 + 5 + 7 + 5}{5} = 6.0 $
差のばらつきを計算すると,
$ s_d \approx 1.41 $
対応のあるt検定のt値は次の式で求めます.
$ t = \frac{\bar{d}}{s_d / \sqrt{n}} $
今回の例では,
$ t = \frac{6.0}{1.41 / \sqrt{5}} \approx 9.5 $
t値は, 「差がどれくらい大きいか」 を表す数値です.
次に, そのt値がどれくらい珍しいか を判断するために, t分布を用いてp値を求めます.
今回は被験者が5名なので, 自由度は $ n - 1 = 4 $ です.
自由度4のt分布において, $t = 9.5$ は非常に大きな値であり, p値は 0.01 よりも十分小さくなります.
p値が0.05未満であるため, 実験前後の得点差は 「偶然によるものとは考えにくい」 と判断します.
対応のあるt検定を行った結果, 実験前後で得点に有意な差が認められた (t(4) = 9.5, p < .01).