対応のあるt検定

同じ対象を2回測定したときの平均の差を調べる検定

この検定は何をするもの?

対応のあるt検定は, 同じ人や同じ対象を2回測定したとき, その平均に差があるかどうか を調べるための検定です.

具体例(実際の数値)

5名の被験者に対して, 実験前と実験後で同じテストを行ったとします.

被験者 実験前 実験後 差(後 − 前)
160688
255605
370755
465727
558635

対応のあるt検定では, この差の列だけを使って検定を行います.

t値を求める手順

① 差の平均

差の平均は,

$ \bar{d} = \frac{8 + 5 + 5 + 7 + 5}{5} = 6.0 $

② 差の標準偏差

差のばらつきを計算すると,

$ s_d \approx 1.41 $

③ t値の計算

対応のあるt検定のt値は次の式で求めます.

$ t = \frac{\bar{d}}{s_d / \sqrt{n}} $

今回の例では,

$ t = \frac{6.0}{1.41 / \sqrt{5}} \approx 9.5 $

p値はどこから出てくるのか

t値は, 「差がどれくらい大きいか」 を表す数値です.

次に, そのt値がどれくらい珍しいか を判断するために, t分布を用いてp値を求めます.

今回は被験者が5名なので, 自由度は $ n - 1 = 4 $ です.

自由度4のt分布において, $t = 9.5$ は非常に大きな値であり, p値は 0.01 よりも十分小さくなります.

結果の解釈

p値が0.05未満であるため, 実験前後の得点差は 「偶然によるものとは考えにくい」 と判断します.

論文での書き方(例)

対応のあるt検定を行った結果, 実験前後で得点に有意な差が認められた (t(4) = 9.5, p < .01).

まとめ