どんなときに使うのか
次のような場合に, ウィルコクソン検定が用いられます.
- サンプルサイズが小さい
- 外れ値が多い
- 分布の形が明らかに歪んでいる
- 順序尺度のデータを扱う
この検定は, ノンパラメトリック検定 に分類されます.
正規分布を仮定しない対応のある検定
ウィルコクソンの符号付き順位検定は, 対応のある2条件の差 を調べるための検定です.
対応のあるt検定と目的は同じですが, データが正規分布に従うという仮定 を必要としません.
次のような場合に, ウィルコクソン検定が用いられます.
この検定は, ノンパラメトリック検定 に分類されます.
| 対応のあるt検定 | ウィルコクソン検定 | |
|---|---|---|
| 仮定 | 差が正規分布 | 分布の仮定なし |
| 使用する情報 | 差の大きさ | 差の順位 |
8名の被験者について, 実験前と実験後の得点を比較します.
| 被験者 | 実験前 | 実験後 |
|---|---|---|
| 1 | 60 | 65 |
| 2 | 55 | 54 |
| 3 | 70 | 75 |
| 4 | 68 | 72 |
| 5 | 62 | 62 |
| 6 | 58 | 60 |
| 7 | 64 | 66 |
| 8 | 66 | 70 |
各被験者について, 「実験後 − 実験前」 を計算します.
| 被験者 | 差 | 符号 |
|---|---|---|
| 1 | +5 | + |
| 2 | -1 | - |
| 3 | +5 | + |
| 4 | +4 | + |
| 5 | 0 | 除外 |
| 6 | +2 | + |
| 7 | +2 | + |
| 8 | +4 | + |
差が0のデータは, 検定から除外します.
差の絶対値に対して, 小さい順に順位を付けます.
同じ値がある場合は, 平均順位を用います.
正の符号の順位和を $T_+$, 負の符号の順位和を $T_-$ とします.
検定統計量 $T$ は, 次の小さい方です.
$ T = \min(T_+, T_-) $
標本数が小さい場合は, ウィルコクソン検定表を用いて p値を求めます.
p < 0.05 であれば, 実験前後に 有意な差があると判断します.
ウィルコクソンの符号付き順位検定の結果, 実験前後の得点に有意な差が認められた (V = 2, p < .05).